楽譜の PDF をダウンロード販売するにあたって、複数の PDF にまとめてヘッダーやフッター・透かしをつけたいと思うようになりました。ヘッダーやフッター・透かしとして購入者名などを記入すれば、楽譜の不正コピー防止に少しは役立つはずです。
最終的な僕自身の結論は、『いきなりPDF Edit 3』を購入するということでまとまったのですが、ここに至るまでに試したいろいろなソフトウェアの利点・欠点を、自分自身のためにもまとめておきたいと思います。人によっては、『いきなりPDF Edit 3』等のソフトウェアを購入する必要はないかもしれません。
iTextFront 1.17
Microsft VM(Microsoft Java Virtual Machine)が必要になるのですが、このソフトウェアはすでに Microsoft ではサポートされておらず、数々のセキュリティ・ホールも見つかっているようです。残念ながら危険なので使用できません。
フリーソフトなのに透かしを入れたり、分割・結合を行ったりと、大変便利そうなだけに本当に残念です。後継の Concat PDF は透かしをいれる機能がなくなってしまったようです。
iText 2.1.3
ファイルごとに追加するヘッダー・フッター・透かしが異なる今回の用途では、Java のコードで書く必要がある iText を使うのは危険だと判断しました。
大量のファイルに同一の作業を行うときには便利そうです。これのグラフィカルなシェルがあればよかったのに…という発想で、前述の iTextFront は生まれたのでしょうね。
PDF Watermark Creator 1.00
日本語が入力できませんでした。余白の設定もしづらいです。ファイルも一つずつしか選択できません。
しかし手軽に透かしを入れられるソフトウェアであることは確かです。
pdfStamp 1.10
シェアウェアなので、送金しないと左下に pdfStamp の URL 等が書き込まれます。価格は 1,000 円なのですが、この作者が 3 年以上 web サイトを更新していないので、振り込みはためらわれます。
今回必要な機能はおよそ詰まっています。QR コードの出力にも対応するなど、面白い点もあります。
PDFTK Builder 3.5.3
まとめて複数のファイルに適用することができないことが欠点ですが、既存の PDF ページに指定の PDF ファイルを重ね書きする機能があり、最強のヘッダー・フッター・透かし作成ソフトウェアです。おまけにセキュリティの設定までできます。
個人的な結論
複数のファイルにまとめて透かしを入れるソフトウェアは有償のものしか見当たりませんでした。しかし、メーカー製の PDF 編集ソフトウェアが 5,000 円台で購入できるのに、ただ透かしを入れるためだけに 1,000 円払うのは賢くないのではないかと思い、複数のファイルにまとめて透かしを入れることはあきらめました。
そういうわけですので、楽譜のファイルは一つに結合して販売せざるを得ない、という結論に達しました。そうなれば、ヘッダー・フッター・透かしを振ることが簡単にできるからです。ヘッダー・フッター・透かしには購入者の個人情報を手作業で入力するわけですから、ミスは許されません。簡単にできるという事は、その分だけミスを減らすことにつながるのです。
しかし一つに結合された PDF ファイルというものは、その一部のみを印刷するということがとかく難しいものです。PDF ファイルを結合するなら、しおりを作成しなければなりません。また、両面印刷機能のあるプリンタで PDF を一通り印刷した時に、うまくめくれる譜面が仕上がるように余白などもはさまなければ親切とは言えません。
結果、『いきなりPDF EDIT 3』の購入を現在検討しています。このソフトウェアはNuance 社の『PDF EDIT 2 Professional』という製品の廉価版で、そちらの体験版が手に入り、評価できるためです。こちらのページに機能比較表があるので、『いきなりPDF EDIT 3』で使えない機能がどれなのか、評価中に把握することができます。
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