この日指導していた中学三年生の女の子が「解けなかった」と言って持ってきた問題に、僕も引っ掛かりました。それは、こういう問題でした(以下は前半のみの抜粋)。
ある鉄道会社では、利用者が切符を購入することなく、後日 1 ヵ月分の料金を支払うことができるシステムを導入し、2 種類の料金割引プランを実施した。利用者はそれぞれのプランに応じて割引された額を支払う。
次の表はそれぞれのプランの内容をまとめたものである。次の問に答えなさい。
利用回数による割引(A プラン)
1 ヵ月間の同一運賃区間の利用回数に応じた割引
- 10 回目までの利用回数部分 … 割引なし
- 11 回目から 20 回目までの利用回数部分 … 10% 割引
- 21 回目からの利用回数部分 … 15% 割引
この問題をみて僕たちは、21 回以上利用した場合、1 回目~21 回目まですべて 15% 割引になる、と思いました。実際はそうではなくて、10 回目分までは割引が効かず、11 回目~20 回目までは 10% 割引きになり…ということになります。
確かに問題の文章をよく考えれば、そう書いてあるように読み取れる文ではあります。しかしこんな割引方式、茨城と福島でしか暮らした事のない僕は見たことがありません。いったいどこの問題だろうと思って調べたら、納得しました。これは兵庫県の問題でした。
兵庫県と言えば、悪名高い福知山線を抱える JR をはじめ、阪神・阪急を筆頭とする私鉄各線が同ルートを走り、スピード競争・価格競争を繰り広げている激戦県です。後で調べたところ、この割引は阪急鉄道の PiTaPa 割引に似た制度だということがわかりましたが、つまり「なるべく自分の会社の路線だけを使ってね」という意思をもった割引で、毎回違う路線を使う「浮気性」な方には割引が働かない制度だったのです。こんな割引、福島で見たことがないのは当たり前です。福島駅はいまだに Suica で乗車することすらできません(買い物はできます)。他県の方、駆け込み乗車は本当にできませんからご注意ください(笑)。自動改札だって 21 世紀に入ってもしばらくありませんでしたからね。
県立高校入試の勉強に必要な事に、その県の過去の問題を解くことと、他県の問題を解くことがあります。それは入試問題を作成されている方が、過去の問題や他県の問題を検討しながら作成されているらしいからなのですが、さすがにこの問題だけは福島県で出されることはないだろうな、と思いました 😉 。
※ この日、2008-11-05 の一日 177 セッションを超える、一日 191 セッションを記録し、最高記録を更新いたしました。ご訪問まことにありがとうございます。
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