振替加算と定年退職

僕の職場の Y さんが、今月いっぱいで定年退職されることになりました。まだ 50 代くらいに見える方なのですが、実はもう 61 歳だとか。まずはそのことに驚いたのですが、それにしても中途半端な年齢でおやめになられます。誕生日でもありません。

理由は、厚生年金の「振替加算」という制度のため。昭和 41 年 4 月 1 日以前に生まれた人は、生年に応じて夫婦共年金額にいくらか加算されます。Y さんの場合、昭和 22 年生まれでしょうから月額 8,408 円でしょうか。無視できない金額です。

ところが、この「振替加算」の対象には制限があって、Y さんの厚生年金の加入期間が 240 ヵ月を超えると、「振替加算」が取り消されます。本人には働く意志もあるし、僕を含め周囲の人々も残ってほしいと思っているのですが、そうもいきません。

240 ヵ月以上働いて「振替加算」が取り消された場合、少なくとも 65 歳まで働き続けないと、年金の受給額を取り戻すことができないそうです(85 歳まで生きるとして)。そういうわけですので、制度的に泣く泣く退職、ということになりました。

数年おきに変わる年金の、今日現在の制度に縛られて退職しなければならない、というのはなんともバカバカしい話に思えます。要件が一定値を超えると制度が激変する、ということがよくありますが、これもなんとかならないのでしょうか。


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