このところ行きつけている珈琲屋 Beans で、ロブスタ種のコーヒー豆を初めていただきました。インドネシア産の豆で、サイズはアラビカ種の豆より一回り小さいようです。
「味も香りもあまりないので、深炒りにして苦味を楽しむのがいいと思う」とご主人から提案をいただいたので、そのとおりに深入りにしていただきました。お値段は 450 円でした。さすが安さが売りのロブスタ種の豆だけあって、本当に安いです。
さっそく家でいただいてみました。まず、ドリップの段階で、アラビカ種の豆とは違う、奇妙な甘い香りが広がりました。「麦を炒ったような香り」と形容されるようですが、僕は麦を炒ったことがないので、妥当なのかどうかわかりませんでした。かなり焙煎度が深いので、味は苦味が強く出ていました。アラビカ種ではちょっと感じたことのないような、変わった酸味もありました。
全体としては、おいしくはないがまずくもない、といったところでしょうか。しかし、これにあと 200 円も足せばブラジル豆が買えますから、積極的に買い求めるようなものではなさそうです。現在では入荷していないと Beans のご主人がおっしゃっていましたが、なるほどそうなるでしょうね。
銀髪のご主人いわく、「むかし、みんながまだ裕福でなかった頃には、このロブスタ種を盛んに取り寄せたものでした」とのこと。このロブスタ種の風味こそが、高度経済成長期の日本人のコーヒーの味わいだった、ということでしょうか。僕は本当に裕福な時代に生まれたのだなと、再認識させられたのでした。
ちなみに、現在でも缶コーヒーの材料は大半がロブスタ種だそうです。たしかに、このコーヒーにミルクと砂糖をたっぷりと入れると、缶コーヒーの独特のあの味になります。現在でもフランスでは、ロブスタ種が普通に飲まれるようで、やはりかなりの深炒りにしていただくそうです。
コメントを残す