兄嫁のバーベキュー

この日焼かれたもろもろ。
この日焼かれたもろもろ。

僕の兄は国際結婚をしています。お相手の方はロサンゼルス出身の、ご本人いわく「アイルランド系アメリカ人」です。同じ日本国内であっても、所変われば文化や味がどんどん変化していきますが、日本とアメリカともなるとその激変っぷりは甚だしく、お互いに困惑してしまうことはよくあります。

バーベキューといえば、暑い日差しが照りつける中、野外で思い思いのものを焼きながらビールを頂き、「俺のタマネギをとるな」だとか、「人の焼いた肉を食いやがって」だとか言いながら、エバラ焼肉のたれの辛口が足りなくなるとか、大根おろしをこぼすとか、まあそういった情景を思い浮かべるのが我々の常だと思います。

しかしこの日兄夫妻に招かれて行ったバーベキューは、兄嫁が設定した内容で、こういった内容でした。

  • 焼くのは屋外、食べるのは屋内。
  • 焼肉のたれはエバラでもおろし醤油でもなく、ロメスコとゴマダレ。
  • ワインを飲む。
  • 野菜は焼いてから切る。
  • アスパラガスやパプリカも焼く。
  • 長ネギは 10 cm 程度の長さに切ってある(向こうでは切らないらしい)。

いやー本当に所変われば!ですよ。しかも、全体的に日本のバーベキューよりもうまい!

  • ロメスコはスペインのカタルーニャ発祥の地方のソース。これが絶品。
  • バーベキューには辛口ワインがよく合う。
  • 切ってから焼いた野菜はぱさぱさになるけど、焼いてから切った野菜は外がカリカリ、中がプリプリ、中間部がサクサクと、完璧なお味。特にタマネギを丸ごと焼くとは思わなかったけれど、これがうまい!
  • アスパラガスは用意したほうがいい。パプリカもおいしい。ちなみに英語でパプリカといえば、パプリカから作った粉末の実を指すのだそうで、英語では野菜のことは “red bell pepper(赤い鐘型トウガラシ)” と呼ぶそうな。
  • 長ネギは真っ黒焦げの中から芯の部分をツルっと吸いだして食べるのがうまい!
手作りのロメスコ。おいしい!
手作りのロメスコ。おいしい!

バーベキューというのは、スペインの料理がルーツになっているとか。そういうわけかわざわざ用意してくださった手作りのロメスコは、また食べたいと思わせる味でした。しかしやはり日本育ちのためか、僕はどうしてもポン酢が欲しいと思ってしまいました。母も同じように思ったようで、そのことを告げたら「じゃあ今度は Ponzu を作りましょう」との事。料理上手な兄嫁の作るポン酢が今から楽しみです 😉 。

ところで、後で知ったのですが、アメリカのバーベキューというのは日本のバーベキューとは雰囲気が違うそうです。日本ではみんなで集まってワイワイやるものというイメージがあると思いますが、アメリカではその家庭のルーツやこだわり・趣向をアピールする、きちんとした「おもてなし」の機会なのだとか。

なるほど、と思ってインターネットでアメリカのバーベキューの写真を検索してみると、本当にみなオリジナリティあふれるパーティーを開いていることがわかりました。兄嫁はかなり、日本風に調整してくださっていたようです。本当に所変われば、ですね。「ポン酢ほしい」なんて言っちゃだめだったんですよ、まったくお恥ずかしい 😳 。今度は我々ももっと礼を尽くして「もてなされる」という心構えでお伺いしなければならない、と思いました。


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