皇帝・双槐樹(コリューン)とその正妃・銀河(ギンガ)を中心として、素乾朝の滅亡を描いた酒見賢一さんの小説『後宮小説』を原作とするアニメーション作品。知らぬ間に彼女が通信販売で DVD を購入していたらしく、誘われて一緒に観てみることになりました。
このアニメは 1990 年に制作されました。映画ではなく、日本テレビで放送された単発のアニメーション作品でした。しかし 80 分ある本編中に一切 CM を入れないという、破格の扱いを受けての放送だったようです。そのうえ提供は三井不動産販売の一社のみ。これがバブルというものだったようです。
彼女は子供の頃にこの作品に出会って、ビデオテープがぼろぼろになるまで何度も繰り返し観たそうです。最近、思いだしてインターネットで検索してみたところ、DVD が販売されていたり、このアニメのファンのサイトがあったりと、多くの人が今でも覚えている事を知って喜んだようです。
原作にはもう少しシリアスなシーンや暴力的なシーンもあったようなのですが、アニメではそういった場面はかなり省略されているようで、とてもコミカルな作品に仕上がっています。主要な登場人物が戦争し合ったりするわけですが、悪人らしい悪人がほとんどおらず、みな大変に魅力的です。こういう要素が人気の源となっているのでしょうか。
ちなみに、映画の冒頭の廃墟と素乾城のカット、それから映画の最後に映る廃墟と素乾城のカットが、どうも逆になっているようです。いろいろ理由を考えたのですが、本当のところはどうだったのでしょうか。万が一真相をご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示いただけましたら幸いです。
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