春から通っている小学校に、吹奏楽の指導をしに行ってきました。今回で 10 回目になりますが、今回のテーマはズバリ「飽き」。
いや、「飽き」について教えてきたわけではなく、指導されている先生方が直面している、子供たちの練習曲への「飽き」をどうするか、がテーマでした。
よく考えれば 4 月から 10 月までずっと同じ曲ばかりを練習しているわけで、9 月頃から「この子たちはよく飽きずに頑張っているな」と感心していたのですが、ここにきてついに気持ちが離れてきてしまったようでした。
ミュージカルのロングラン上演において最も大切で難しい事は、ミュージカルに飽きてしまわない事だと、劇団四季でライオン・キングの指揮を振ってらっしゃった西村友さんがたしかおっしゃっていたように思うのですが、その言葉を思い出しました。
とりあえずはなるべく曲の練習を避けるようにしました。口頭で違う曲の楽譜を伝えてどこまで吹けるか試したり、みんなで寝そべって腹筋を意識する練習をしたり、ロングトーン・コンテストにディミヌエンド・コンテスト等々。そういう練習をしているときは、子供たちも楽しくやっていられるようでした。
しかしひとたび演奏曲に練習が戻ると、明らかに子供たちの様子が悪い方向に変わって行くのがよくわかりました。こんな状態ならもう練習を切り上げてしまいたいところですが、厄介なことに 3 日後の 29 日は音楽祭の本番。これは審査員付きのコンテストですので、やはり演奏曲も練習しないわけにはいかないのです。しかも、子供たちの演奏レベルは日に日に高まっていて、次なる課題は:
- フォルテが弱い。
- トゥッティでの 2 拍 3 連符が空中分解する。
といったような、ちょっとした意識の転換ごときではもはや解決しないようなものしか残っていないのです。なんとか指導してみますが、子供たちの目が死んでしまって、さすがにこの辺りが限界のようだと感じたのでした。
しかし、辛かった練習ももうじきおしまい。今度はみんなの好きな曲を演奏して、また新鮮な気持ちで合奏に向き合ってもらいたいなあと思っています。
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