夏休み終了間際のこの時期は、中学生に読書感想文の指導をすることがよくあります。「家庭教師にそんな事をさせるなんてもったいない」と言われる場合もありますが、読書感想文を書くことは国語学習の最大の実習の一つで、それに立ち会うことには少なからず意味があります。
しかし実際、多くの子どもたちにとって読書感想文を書くことは非常にハードルの高い作業です。これには総合的な国語の能力が必要です。漢字や文字の筆記力、語彙力、抽象事例・具象事例の相互変換力、論理構造の理解力、そして文章の構成力といったものです。
子どもたちは先にあげた 6 つの国語の力を順に獲得していきます。すべてを完璧に備えている小中学生はなかなかいません。どの段階まで子どもが国語の力を使いこなせるのかまず見極め、その子にとってチャレンジしがいのある部分を中心に、考えさせるようにしています。
あんまり教え込むと、大人の書いた作文になってしまうのでは、という懸念もあると思います。そういうことがないよう、指導はなるべく丁寧に質問を投げかけることで行います。「どうしておもしろかったの?」「それって本当に面白いの?」「○○って何?」
いろいろ質問するうちに、子どもが「だから、こういうわけなんですよ」と語りだしたらしめたもの。「そう。じゃあそれを書いたらいいじゃない」これの繰り返しで仕上げていきます。多少内容が稚拙でもかまわないと思います。こうやって話題を引き出してやれば、大体の子どもは書き進めることができます。
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