Wikipedia 英語版「Theme (music)」ページの日本語訳

仕事の都合で、Wikipedia 英語版「Theme (music)」のページを日本語訳しました。Wikipedia 日本語版には英語版と違う構成で「主題」のページがありますので、自分のページに掲載することにしました。英語の音楽の文献を読む際に、日本語の訳語を発見する手助けになるかもしれません。また、内容が日本語版と異なりますので、何かの参考になるかもしれません。あまりいい日本語になってなくてごめんなさい。以下、対訳です:

Theme 主題
In music, a theme is the initial or primary melody. The 1958 Encyclopedie Fasquelle defines a theme as follows: “Any element, motif, or small musical piece that has given rise to some variation becomes thereby a theme.” 音楽における主題とは、最初に現れる旋律か、あるいは主要な旋律のことである。ファスケル百科事典 1958 年版において主題は次のように定義されている:「どんな要素、動機、もしくは小さい音楽的な断片でも、なにかの変奏を生じた場合、それによって主題となる」
Explanation 意味
After the principal theme is announced, a second melody, sometimes called a countertheme or secondary theme, may play. 第一主題が提示されたあとに、「対旋律」や「第二主題」などと呼ばれるふたつ目の旋律が演奏されることがある。
In a three-part fugue, the principal theme is announced three times in three different voices – soprano, alto, bass – or some variation of that. 三声のフーガにおいては、第一主題は三つの異なる声部(ソプラノ、アルト、バス)で三回提示される。変奏になることもある。
In a four-part fugue, the principal theme is announced four times. A motif is a short melodic figure used repeatedly which may be used to construct a theme. 四声のフーガにおいては、第一主題は四回提示される。繰り返し使われる短い旋律的なまとまりを動機といい、主題を構成するのに使われる。
A leitmotif is a motif or theme associated with a person, place, or idea. 示導動機は動機や主題のうち、人や場所、思想などと結び付けられたものである。
Thematic changes and processes are often structurally important, and theorists such as Rudolph Reti have created analysis from a purely thematic perspective. Fred Lerdahl describes thematic relations “associational” and thus outside his cognitive based generative theory’s scope of analysis. 主題の変化や進行はしばしば構造的に重要であり、ルードルフ・レティのような理論家たちは純粋な主題の分析視角を生み出してきた。フレッド・ラダールは主題の関係を「連想的」に、ひいては彼の経験的知識に基づいた生成的理論の分析守備範囲の外で説明している。
Music without themes 主題を持たない音楽
Music without themes, or without recognizable, repeating, and developing themes is called athematic. Examples include the pre-twelve tone or early atonal works of Arnold Schoenberg, Anton Webern, and Alban Berg. Schoenberg (1975): “intoxicated by the enthusiasm of having freed music from the shackles of tonality, I had thought to find further liberty of expression. In fact…I believed that now music could renounce motivic features and remain coherent and comprehensible nevertheless.” 主題を持たない音楽、もしくは反復して発展していく主題が認められない音楽を無主題と呼ぶ。たとえば十二音技法や、アルノルト・シェーンベルグ、アントン・ウェーベルン、アルバン・ベルグらの初期の無調の作品を含む。以下、シェーンベルグ(1975 年)より抜粋:「調性の足かせから開放された音楽を取り入れる情熱に夢中になって、私はなお一層の表現の自由を見つけるために考えた。間違いなく…私は今日の音楽は動機の特徴を捨ててもなおまとまりや分かりやすさを残すことができるかもしれないと信じた。」
Music based on one theme is monothematic while music based on several themes is polythematic. For example, most fugues are monothematic and most pieces in sonata form are polythematic. (Randel 2002, p.429). ひとつの主題に基づく音楽を単一主題といい、複数の主題に基づく音楽を複数主題という。たとえばたいていのフーガは単一主題であり、たいていのソナタ形式作品は複数主題である(ランデル 2002、p.429)。
Musipedia has a large, searchable collection of themes. Musipedia は大きい検索可能な主題のコレクションを持つ。

コメント

“Wikipedia 英語版「Theme (music)」ページの日本語訳” への1件のコメント

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