ラヂウム玉子

飯坂温泉名物 元祖 ラヂウム玉子(有機卵)
飯坂温泉名物 元祖 ラヂウム玉子(有機卵)

僕が福島に引っ越してきた直後に、高校時代の友人が訪ねてきたことがありました。当然、車はまだ持っていませんでしたので、電車に乗って飯坂温泉に行ってみることにしました。適当に見つけた浴場に入りましたが、これの湯船が熱いこと熱いこと!せっかく来たので我慢して入ってはみたものの、激しい痛みでとてもゆったり浸かるなんて無理でした。地元の人たちは普通にくつろいでいましたが、これが原因で命が縮むのではないかと、本気で心配したものです。

そんなころから福島で気になっていたのがこの「ラヂウム玉子」。高校時代に一通り化学 IB を習ってきた身なので、卵にラジウムなんて添加していいのかといぶかしがりましたが、そういえばブラック・ジャックは獅子面病の治療のために脳下垂体にラジウム片を埋め込んだりしていたな、なんていうことを思い出して、「量によっては平気なんだろう」とかいうお馬鹿な納得をしていたっけ。

これがいわゆる温泉卵の元祖だということを知ったのは、結構後になってからの話でしたが、温泉卵を食べたいと思うような日はついに来ることがなくて、せっかく名産地(?)に住んでいながら結局一度も食べることなく、福島でのファースト・ディケードは終わりを迎えたのでした。

そんななか、どういうわけか彼女が持ってきたのが写真の温泉卵。彼女が訪問しているご家庭からいただいてきたらしい、このユーモラスなニワトリの印刷された「ラヂウム玉子」は、いわく「数ある飯坂温泉卵のなかでも、そのご家庭でこれが一番おいしいと評判」の逸品だそうです。

正直に申し上げますと、僕は今まで温泉卵と半熟卵はほとんど同じものだと思っていました。ですので、食べ始めて驚きました。白身も黄身もしっかり固まっている上にトロトロとした舌触りで、半熟卵と全く違う、素晴らしいおいしさじゃありませんか!

調べてみたところ、卵黄の凝固温度の方が卵白の凝固温度よりも低いため、65 度~68 度のお湯に 30 分ほどつけておくと、みごとこのような温泉卵ができあがるのだそうです。僕はてっきり卵白の方が凝固温度が低いので、半熟卵があのように仕上がるのかとばかり思っていましたが、誤解でした。

…って、ちょっと待った!飯坂温泉のお湯って 70 度近くもあったんですか 😯 !いれたてのホットコーヒーより熱いなんて、どうりで 10 年前に熱くて熱くてはいれなかったわけですね!

※ 「ラジウム玉子」の名前は、日本で初めてラジウムの存在が確認されたのが飯坂だったからなんだそうで、卵の成分とは無関係のようです 😉 。


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